劇団クロジ12回公演「ヒルコ」

ragi-jun2013-10-00


土曜のソワレを当日券で見てきました。

クロジの演劇はほぼ毎回観に行ってるんですが、毎回観終わって気分良く劇場を出るということが出来ない感じ。演技力が低くてイライラするとかではなくて、脚本が考えさせる、というか割と人間の感情むき出しでドロドロとした愛憎劇がメインなので、あまり幸せハッピーエンドにならないから。特にここ何回かはとりわけそうで、大抵だれかが死にます。気が触れるひとも出ます。そう言う意味ではあまり万人にお勧めしにくい内容が多いですね。あなピグモといいどうしてこう人に勧めにくいものばっかり観てるんだろう。

背景としては、戦国乱世なんだろうなあ。良くも悪くも純真無垢なヒロインと責任感の強い村長の息子、という英雄譚になりそうな人物設定ですが、まあそこはそれ。はっきり言ってだれも幸せになりません。幸せなのかもしれんけど、そこに至るまでに多大な犠牲というか消耗するのが、ここの傾向っぽいなあ。劇団の色がはっきりしているのはいいことだけど、そこにハッピーエンドが見えないんだよなあ。かなり観るのに気力を要します。

役者は、クロジのお二人は経験も多いし、さすがの演技力。特に福圓さんの感情の振り切った演技とかもはや定番といえるレベルだと思う。ナチュラルに壊れてる人物のことが多くて、乾いた表情で狂気を自覚無く無垢に語るところとかもう正直怖い。同じ流れで言えば、松崎さんの懇願するシーンも定番。いつも思うんですが、幸せな愛情とか静かな愛情とかあり得ないんでしょうか。ないな、ここには。

ほかの方は、客演なんですが、最近定番な関智一さんや木村はるかさんとか経験も実績も十分なひとや他の劇団からの人など、基本的に実力十分な人たちばかりで安心して観てられるし、かと思えばゲストのひとでもあまり舞台経験のないような人でもきちんとこなしてる辺り、人選が素晴らしいと思います。今回も値段的にも満足する出来でした。でもこうなるともうちょっと大きいハコで観たい気もします。次回は来年の9月だそうです。楽しみが出来た。

観る前に食べた六本木「Dragon’s Banquet」の油そば
http://tabelog.com/tokyo/A1307/A130701/13159695/