LOOPER

ハンター劇場版だけは決めてたんだけどそれ以外にもう一個観るもの無いかなあとスケジュール観てたら良さげなのがホビットとか96時間とか007とかあったけど、なんか前評判もなにもないLOOPERを観る事にした。ハンター終わって、松乃屋が味噌カツ定食キャンペーンやってたので昼飯。その後ちょっと時間つぶしてから着席。こっちも4割くらいの入りだったな。
まったく前情報も無いので、見始めてしばらくは世界観を理解するのに大変。文字ばっか。
未来ではタイムマシンが完成してるらしいけど、映画の舞台ではまだ未完成なもんで30年昔への一方通行。そんで30年後の未来では管理社会も進んでるんで人を殺しても死体の処理が不可能、ということでタイムマシンの違法利用で処理したい人を昔に飛ばしてそこで処理させる方法をとる。現代で飛ばされて来た人間を射殺し死体の処理をする人たちをLOOPERと呼ぶ。ココまでが前提。
いわゆるタイムパラドックスものなんですが、出てくるのがほぼ全員マフィアやらなんやら何で基本的に違法で非道なシーンがいっぱいです。もちろん主人公も割とクズなんですが、作中でいろいろと体験する事で成長というか達観していく姿や主人公’が大事な人を守るためとは言え、他の人の大事な人を殺害することに葛藤を覚えるシーンなどむしろSFっぽさよりも人間ドラマとして面白いです。子供ができない自分たち夫婦の関係とそのために他の人の子供を殺さなければならない、と決意している姿も正解なら、今の自分を守るためにそれを阻止しようとするのも正解。そして最後にすべてのしがらみから解放するために〇〇しようとするのもまた正解なんだろう。うーん面白い。
タイムパラドックスものの基本として、世界線の分かれ目と合流がいくつか描かれてますが、まあまだこれは簡単な方でしょう。ドラゴンボールみたいに分かれた世界線上なら因果律がさかのぼったりしない訳でなく、世界線上であれば傷は残るし記憶も繋がるしで過去からのメッセージなどの使い方が巧い。特に拷問のシーンとかはえぐいです。直接そのシーンを描かないのに効果ややられてる事が丸わかり。巧い表現だけどきっついわー。まあ、因果律とか考え始めると今より前には影響が及ばなかったり最初からないことにはならなかったりとそこらへんは割と適当というか、簡単に定義してあるっぽい。エンディングもわりとぼやかしてあるし、そこらへんのSF度合いは薄めにしてるんだろう。そう言う意味では万人向け。いや、拷問やら麻薬やらで万人には勧められんか。SFでいえば最初のほうでちょっとだけ出されるとってつけたようなTK能力もキチンと伏線として働いてるし、序盤の伏線の張り方は綿密の一言。
役者的には子役がすげえです。未来主人公のブルースウイリスも超戦闘力だったりで違う意味ですごいけど、シド役の子供の表情とか台詞とかほんとにすごい。こええ。
終わってから外に出ると雪は雨に変わってましたが、積雪が氷化しててもうどこも大変。駅では電車が減ってるし、駅から歩いて帰ろうにも積雪と水たまりでいつもの倍の時間がかかった。明日はもっとひどいかなあ。