アシュラ

そういえば、こないだアニマックスで浮浪雲の劇場版放送してたな。作者繋がりかな。ゴンズイとか面白かったな。ゼニゲバとか。観てないけど。

実際、原作は発禁寸前だったり不謹慎扱いだったりするきっつい内容だそうですが、映画も映画できっつい内容でした。開始冒頭の5分で食人、子殺し、キチガイともうお腹いっぱいなくらいタブーかましてきます。どっかの悪趣味な露悪作品じゃないのは原作者もお墨付きなのであまり心配してませんが、冒頭の密度のせいか、この後のどのシーンを観てもその後に悲劇が用意されてそうで、ほのぼのしたシーンなのに妙に、緊張と緊迫感が。正味75分程度なのに、ものすごく長い作品を観たような疲労感がありました。何がすごいって血が出過ぎ。人がバンバン死にます。斬殺やら噛み殺すとかはある意味あっという間でむしろシアワセなんじゃなかろうかというくらい飢饉に旱魃、洪水で生きて行くのがとにかく辛い時代。それがテーマな訳ですが、ある意味身近な危機っぽくて観てて一番つらかった。
どっかの笑いネタで、先進国に生まれなかったらとっくに死んでるわー、とか言ってた人が居たけど、ここで描かれてるのはどこの国であっても起こりうる状況で、現在進行形でこういう状況な場所もある訳で、ほんともうなんていうか、キツかった。
悪意ではなく、ただそういう時代だからそういう綺麗ごとだけじゃない、けどそれでもみたいな描き方でいい映画だと思うんだけど、正直二回は観れない。ストーリーと展開知ってても観るのが辛い。BDとかあんまり数でないだろうなーとか思ったよ。
しかしまあ、この手の綺麗ごとが通じない過酷な現実を描く作品ってたまに出てくるけど、これは割と素直に観れたな。あれは監督が嫌いだったからかな。「いまここにいる僕」ブログで大層な内輪批判しまくった挙げ句あれだもんなあ。
閑話休題
面白い、とは言えんし人を選ぶ作品だけど観ておいた方がいい作品だとは思う。でもなんというか、食糧事情とか考えると人ごとでもよそごとじゃないとかまで思い始めると沈鬱になるなあ。

アニメ劇場作品としては、新手のCGアニメと手描き技術の融合っていう試みとか声優のレベルの高さとかもあってとにかく完成度が高い。ぬるぬる動くなあ、フィルムからデータに変わった時も違和感大変だったけど、今後はCGアニメメインになるんだろうなあ。そうなると3D化出来ないスネ夫とかどうすんだろ。