天地明察

衝動的に観に行く事にした。川崎109のレイトショーのチケット買ってラゾーナビックカメラで衝動的にiphone5の予約する。それでも時間が余ったんで軽く食事したりして会場入り。レイトショーとはいえ、初日だっていうのに50人くらいかな。これは多いのか少ないのか。
しかしまあ、原作ものの映画化っていうとどうやってもエピソード削ったり足したりされるものだけど、原作既読者として観に行った訳ですが、正直言って原作既読者は観る価値薄いかなあ、というのが第一。
とりあえず始まってしばらくは割と好印象。算額絵馬のシーンとかは丁寧な作りだし、もうちょっと時間経過が分かる演出にしてくれるともっと良かった。えんが初っ端から好意的なのは上映時間の問題だろうし、どうせ本筋じゃないからこれくらいの改変はあり。ということで不安はわりと解消された気分で観てたが、いきなり道策が勝負挑んで算哲が受けてるのを観て一気に落胆。というか道策も算哲このとき一体いくつだと思ってんだ?というかこのときから改暦されるまで20年くらい経過するんだけど、ちっとも見た目変わらねえし、どうもそういう細かいところというか丁寧さがない。あんまり楽しめそうにないなあ。

別に原作通りにしないとダメなんてことは言いたくはないが、主題がねじ曲がってる感じなのはダメだな。ま、個人的な感想だけどな。んでもって主題っていうのが、太平の世の中で命をかけるに値する真剣勝負をするっていうものだったはず、なんだけど、こいつら一体何と闘ってるんですか?保井算哲はそれが改暦という天を相手に真剣勝負、で道策は囲碁、ほかにもそれぞれ命がけでやり遂げようとする姿が描かれてるんですが、基本的に人なんざ相手にしてらんない。政治的な思惑だらけの北極出地ですら天候や地形との格闘しか描いてないのに、なんで公家と確執やら天誅武士との戦闘とかやってんだよ。原作でもそこらへんは無い、かかなりあっさりしてる。当たり前、そんな詰まらない対立なんて主題に一切関係ないから。
とにかく恋愛やら人命やらそういうものしか描けないのか、と正直白けてた。天誅武士の襲撃シーンとかその場で帰りたくなってた。どうせ勝つと分かってるラストの蝕のシーンとかどうせ時間のずれがあって腹を切ろうとしてその時蝕が、ってなるんだろうなあ、と思ってたらまさにそのまんまでパターン過ぎてイライラする。そのあとえんが出て来て、とかも予想通りというかパターンのみ。これで面白いってほんとに思ってるんだろうか。ああ、もう二時間半もの上映時間つかってやることか、これ。山崎闇斎先生殺す必要があるか?
ということで、途中の三歴勝負とかダレまくりだし、最後の勝負は引っ張りすぎてつまらんし、関孝和はあんまり天才っぽくない。水戸光圀がわりと破天荒なところは好きだ、あれたぶんラーメンだろうな。
まあ、全体的にはもうちょっと短い上映時間だったらもっと印象よかった。天球儀の件やら必至の件をカットしたような脚本じゃしょうがねえか。でも、絵馬のからんころんという音を入れてたのはよかったかな。