『奴が現れたら、消える』 ヤニィーズVol9

なんか記憶違いかもしれんけど過去にここの演劇みたことあるような気がする。ちらしみただけかな。
あんまり面白くなかったな。二人ほど図抜けて巧い役者がいたけどそれ以外はあんまりみるべき場所がなかったというのが正直な感想。というか演出のリアルさがちぐはぐすぎて一体どのレベルの表現をやりたいのかわからねーなー。舞台の上でお茶をだす、カップ焼きそばを作る、煙草を吸う。これらの作業はあくまで振りをするだけで十分客には伝わるし、それをやることで舞台上の不確定さを増すことにどれほどメリットがあるかわからん。万が一お湯が出ない、足りない、こぼす、焦がす、などのことがおこった場合のフォローをアドリブでこなせる自信があるなら別だけど、正直それほどとは感じられなかった。そういう所を下手にこだわるとそういう芝居か、と思ってみてしまうので後半の回想シーンでの芝居臭さがすごく違和感あった。嘘はうまくついてほしいとおもうタイプなので嘘は全然かまわないのだけど、ああいうところをこだわるというには全体が嘘くさすぎる。だいたいそれをやることで間延びした時間はむしろ不快感すらあったのは問題だと思う。
脚本的には、前半のだれにも感情移入できなかったのがなー。なんというか出てくる人物全員が全員躁にあるかのごとくハイテンション気味。それならそういう前提をどこかに見せてほしかったけど、それがないんで端的に言うとウザイ人だらけ。いい加減大人な社会において必ずしも他人に関わることがそれほど必要不可欠とは思えないのだけど、ここの人たちはおせっかいを通り越して無礼な連中だらけ。演劇なんだから普通の人だけだとむずかしいかもしれないけど、なんかこう詰め込んだ感がありありとして、お腹いっぱいな時に出た脂っこい料理をみた気分。まあアンジェラ役の人が出たあたりからは、唯一の大人というか客をみる目のあるキャラだったのでそこらへんは気にならなくなったけど。脚本量的には1時間半くらいで終わりそうな気もするけど、なんか間延び感が否めないなあ。悪い意味で前半は長く感じた。後半はそこそこ楽しめた。最後のどんでん返しは、まあ悪くはないけどなんか無理矢理っぽい刺突シーンは必要か?
役者さんとしては、前述のアンジェラ役の人と慈愛子役の人が頭抜けてるとおもう。昔知り合いにいた擁護クラスの友達がほんとにああいう感じでよく演じていたと思う。他の人は、まあいいんじゃないでしょうか。随所にいい表情とかしてたけど、キャラクターとして受け入れられなかったんであんまり。
これくらいの感想をアンケートに書こうか、と思ったけど書くものなかったしとっとと帰ってしまった。普段なら批判的だろうと賞賛だろうと住所氏名を書いてから書くんだけど、時間がなかったのでこれくらい。

ま、久しぶりの演劇観賞だし、こんなもんか。そもそもが生天目仁美さんの役者としての演技を観に行ったのが半分くらいあるしな。