甲野善紀身体操作術

朝10:30の回を観てきました。劇場には10時頃到着するつもりが延々と迷って10:20ごろ到着したのは秘密。というかあんなところわかりませんよ。
インディーズ系の単館上映ものなんて久しぶりだ。というか東京に出てからは初めてかも。福岡の頃は小さな演劇場とか上映館とか行ってたけど、関東圏はいっぱいあるだけに逆に情報が多すぎて行く気なくすというのが問題。まあどうでもいいことです。
映画の内容は武術研究家の甲野善紀さんのインタヴューを交えたドキュメンタリーで古武術などの古くからの術理を利用した体の動かし方そのものを追求する姿を描いた物でした。いわゆるその道の創始者という方なので甲野さん自身の言葉というものはすごすぎてよくわかりません。だいたいその人生のうちの何年も費やして掴んだ理論なり動きなんかをそんな片言で表現できる訳がない。
ということでその周囲の人とか二代目の方の方が説明が上手いというか分かりやすいのは当然のことで、ご本人のシーンよりもその関係者の言葉が多く入った作りでなんとかその効果は感じ取れるんですけど、いかんせん実際の映像をみてもあんまりすごいんでどうすごいのかさっぱりわかりません。そういう意味では、全く甲野さんという存在を知らない人がこの映画を観ても感銘を受けるのは難しそう。
そもそもが勘違いしてはならないのだが、この人は強くなることが目的ではない。少なくともこの映画の中ではそういう所はほとんど追い求めていないので誰それを投げ飛ばしたりとかはあんまり出てこない。それは実戦に使えないとかではなくて根本的に方向の違いであって、普通に柔道家なりK-1選手とやるとなればいきなり日本刀で切り倒すという技術はあるはず。それが強いということなら間違いなく強いだし、そういう生き残る強さこそが古武術の命がけという所だと思う。
まあ要はその技術の使い方という部分は受講者などに委ねているという部分があって、純粋にその技術を追い求めているある意味技術番組に近いということ。そういう感覚がないと、細身の老人がばったばったと大男を投げ飛ばすアクションを期待して満足できないかもしれない。けど、身体操作術としての純粋な技術紹介と言うことであれば、効果は実感できませんが、興味をもたせることは出来る映画でした。