なば缶二本目「フェアリーテールアレゴリー」

先行販売は瞬殺、その後の何度かのキャンセル分とかも全て買いそこねて諦めてたんだけど、なんか当日券が割と出るらしいんで行って見た。


やたらと天気はいいし気温も高く、いっそのこと山にいこうかと思ったけど、起きた瞬間から目と鼻が。部屋の中といってもやっぱりキツいな。外に出てみたら案の定。気力がなえて部屋でうだうだしててもしょうがないんで、一か八かで中目黒キンケロシアターへ。当日券は12時開始で45分ごろ会場近くを通ったら別に人も並んでなくて、これなら買えそうと開場待ち。12時ちょっとまえにスタッフの方の誘導が始まりその時点で10人程度。無事に当日券入手。最前列下手端という、普段なら絶対座らない位置。まあいいや。
ちょっと昼飯食って入場。キャパ200程度の劇場は満員。完全にキャパを間違ってるよなあ。物販もすでに売り切れてるし。
1時ちょっとすぎに開演。某むつごろう王国をモチーフにしたような動物園のような動物とふれあえる施設が舞台、王国っていってたけど。そこに今流行りの放射能っぽい公害の要素を付け加えて、若干ファンタジー風味。はっきり言うと最後まで世界観が理解できなかった。フィクションなのかリアルなのかファンタジーなのかさっぱり。現代日本のような情勢がありますけど、妖精やらなんやら。なんかそこまで必要な設定に思えなくって違和感が残る脚本。ストーリーも一体なにを主眼にしてるのか分からないような曖昧さ。結末も割と投げっぱなしで結局どこからどこまでが現実でどこからどこまでが創作物としての表現なのかわからん。
演劇としては、劇中劇のようにストーリの中で創作を行うのは良くあることだから其れ自体は全く問題ないのだけど、この作品の場合、入れ籠的にフィクションが入って来て最後まで完結されないんであまり納得できなかった。ラストはラストでなにかエピローグがあるかと思えば、地ナレで終了。全部がミュージカルの創作だったとも思えるし、単に消化しきれてないようにも見える。練り込みが甘いよなあ。
演出面でも割と足りてない感じ。大体演出家が出演してる時点でどうかと思ったけど、ヒグマー人間の変身シーンはもうちょっと表現の仕方だとか場のつなぎ方があると思う。三回も登場するシーンなのに長過ぎ。シーンも一室の固定だからちょっとしたことで間延びしてる印象だし、もうちょっとどうにか出来たんじゃないかな。
そんなこんなで演技の方に入ってみると、声優の中でも上位な人たちばっかりで前回も声の通り方がすごいんだけど、なんか舞台の方とは発声が違う感じ。暗転時の声だけのシーンとかは如実に舞台の人と差があったな。それ以外だと表情とかもキチンとついててさすが。まあ噛んだりトチったりあったけど、それは演技ではないしな。
残念なのは席の関係で役者さん同士が重なってて折角の表情を見逃す事があったことかな。個人的に一番好きなシーンはヒグマのヨーコとティンカーベルのシーン。この舞台の中で一番声が出てたのはティンカーベルだとおもう。そういう役だった、というだけだけど。
全体的な満足度としては70点くらい。次回作は脚本と演出に期待。