バトルシップ

昨日修理に出してたロードを受け取ってそのまま川崎チネチッタバトルシップを観てきました。こないだ転んだ拍子にリアディレイラーがイってたそうで結局全とっかえ。まあ買ってから一度も替えてないし、スプロケも交換してたからちょうどいい時期かもしれない、とは思うものの、急ぎで替えてもらったから在庫の105黒しか無くって、どうせ価格差ないのならアルテにしたかったけどそれは仕方ない。変速がスムーズになったし、満足しとこう。
んで、映画のチケット買って時間つぶしにヨドバシで金環日食用のフィルター観に行ったら軒並み売り切れてました。直視用のはまあ直前にコンビニで買うかと思ってたら、ちょうどベルセルク2の前売り特典で日蝕用フィルターついて来た。そういえばベルセルクといえば蝕だよな。明日の朝には絶対日蝕に向かって手を伸ばしながら「さ・・・さげ・・る」とか、「因果は結ばれた」とか言ってる奴が日本中に居るね。どうでもいいですが。
バトルシップはまあ言ってしまえばエイリアン侵略もの。大体が敵方の方が圧倒的に文明が進んでて通常兵器が通用しないとかがパターンなんですが、この作品は割と普通に倒せます。というか、たかだか数年で光年単位の移動をこなす割に兵器に関する科学レベルが同等です。なんか間違ってない?これってプラネットGがメチャクチャ近いって設定だったっけ?よくわからん。だいたいdeep spaceを深宇宙なんて訳すセンスの無い字幕じゃあまるで距離とかわからんわ。他にも私の拙いヒアリングレベルですらこの訳はないだろって思う奈津子クオリティだもんな。深宇宙は言葉としては間違ってないけど、センスの欠片も無くってしかも何度か出てくるもんで正直白けた。
それはそれとして艦隊戦としては、描写は細かいし、現実離れするほどやたらと命中率の高い武器もなくって、メカ好きとしては観ててあちこちに感心させられる。後半の老朽艦の発進シーンとかすぐに展開は読めているものの、漢の魂が燃える分かりやすくだからこその王道展開に興奮したわ。映画内の人間関係で面白かったのはそこだけですが。
だいたい開始数分の描写やら主人公の生き方とか、兄の責任感とか一切合切が無駄。時間の無駄というのもあるが、なにをどうやってもまるで好感も共感もない主人公がいくら活躍したところで、そこが観たいんじゃねえんだよ、というか真っ先に戦死しろよ、ってくらいに不快でしたよ。
大体、どう考えても5〜6年で一般入隊した新兵が米海軍の尉官になれるってどんだけ有能なんだよ。そもそもそこに至るまでに人格適正とかありえんくらいぬるいし、どう考えても士官になれるとは思えんのだが。防衛大学とか士官学校とか行ったとかの描写も無いし、かといって戦時じゃねえんだから戦果で昇進もないだろうしで、どこからどこまでも主人公がうさんくさくて徹頭徹尾好きになれんかった。そもそも最初にでたひげ面ヒッピーで登場しといていきなり髭剃ってさっぱりしてもだれがだれだかわからんわ、指名手配された逃亡犯の変装なみに顔がちがうからもうだれがどこに居るのか分かりにくし、分からなくてもなんの問題も無いし。はっきり言って戦闘シーン以外のこいつの登場シーン全てが不愉快でした。

とはいえ、先に書いたように戦闘シーンはとても面白い。オタク酒でも言ってらしたようにでかいスクリーンでみるのが正しいと思う。とは思うんだけどなんというかそこかしこに納得いかない描写もあるんで手放しで誉めたくもない作品。大気圏外からあれだけの質量体が海面に直撃してる割に津浪の大きさがしょぼ過ぎたり、数キロ離れた先の艦橋のガラスが割れるような衝撃波なのに極至近で受けたはずのボートがびっくりするくらい安定してたり、軽いのか重いのかわからん。だいたいそれを行ったらその衝撃に耐えるような構造体がたかだか対物ライフルで壊れたりするし、どうにも不自然に過ぎる部分が多いな。
なんか正直言って絵面はすごいが、こまかい設定は大雑把すぎる印象。派手で面白いのだけど、一カ所気になるとあっちこっちの齟齬が目につく。初回はあまり考えずに老兵の活躍やらを楽しんだもん勝ちかもしれない。

しかし、正直言って電磁波バリアとか張れるのはすごいが、あの移動速度と対空防御能力、および直掩航空兵器のしょぼさから言って、空母をもつ艦隊で殲滅できるだろあれ。せいぜい同数の兵力でもどうにかなりそうだし。こんなに弱い侵略ものって滅多にないぞ。全然かけらも絶望感のない敵だったので、当然のように緊張感もカタルシスもない、ある意味リアルな話なんで、超兵器とか人類の必死の抵抗とか観たかったら他の映画観た方がいいです。