社会科見学に行こう!Presents 「見学デーvol.4 加速器の昼 〜加速器忘年会」

昨日の深夜2時頃に見た天気予報では午前中に雨が降る、というものだったのに起きて8時頃見ると午前中曇りに変わってました。6時発表なのでたかだか4時間の予測ができないほど天候が不安定な模様。雨降らないということなら自転車で行く事にしました。
阿佐ヶ谷周辺は自転車の違法駐輪対策が激しくてほぼ毎日のように撤去を行ってるらしいというのは知ってたので、駐輪場探すと駅裏の方にあったのでそこに停めてLoft-Aへ。
会場に入ったのが12時15分くらいでこないだの満杯イベントと比較するとかなり余裕がある感じ。でも相席が発生するくらいのだいたい30人くらいの入り。やっぱりコレくらいの方が見やすくていい。
見学デーのVol2以来で、前回のトンネルのときは日があわず行かなかったけど、今回は元物理屋として燃えるものがありました。やっぱり高エネルギーとか加速器とかは物理の中でも完全に方程式と法則に支配される世界。その割りに専攻は物性物理学でしたけど。
前回の時はまさに建造真っ最中だったのが、今回はつい先日稼働し始めたらしく、来られていたゲストの講師の方がとてもにこやかだったのが印象的。
実際のところ加速器というのは生活レベルから見ると一体何の役に立つのかさっぱりかもしれませんけど、意外と生活の近くまで降りて来ている物理科学のひとつだったりする。有名なところで言うとスプリングエイトでヒ素の同定検査やった話とかがん検診用の中性子線とかももとは加速器で得た技術だし、自分の仕事関連でいうと今流行りのエコキュートやらラジエータとかの水熱交換器の内部の水挙動可視化とかでいまもしかしたらもっとも「金になる」研究だったりするのかもしれない。個人的にはそんなことはどうでもよくって中性子ビームとかポジトロンライフルとかのSF兵器の世界だったりするのだけどね。
話の中でもでてたけど、最近の映画「ダヴィンチコード2天使と悪魔」にでて来たCERN反物質とか「2012」で出て来たニュートリノ振動に関してああいう嘘とは言わんけど誤った知識を使った表現についてひとしきり笑わせてもらった。実際、両方の映画を観てて、同じように思ってた。だいたい反物質と物質の対消滅エネルギーなんてあんなもんで済むはずが無い、というか軽くヨーロッパなくなるよ。あと「2012」ニュートリノ振動で地球核が加熱するって。ニュートリノ振動っていわゆる熱振動とかとは別現象です。これだから空想科学はやめられない。
そんな感じで久しぶりに素粒子とか高エネルギーとか楽しい話が聞けて良かった。いずれ一度は東海村行きたいとおもってた。*1

たまたまとなりに座った人と科学談義が出来て楽しかったよ。こういう話は大学にいた頃は雑談と同レベルの感覚でやってたけど最近は滅多に出来なくなったから。ちょっと調子のってしゃべりすぎた気もしなくもないけど。
あと質問コーナーでは質問者のレベルにあわせた回答しようとしてる講師の方が困ってるのがありありと。それこそ数式持ち出して講義してもらっても個人的には楽しいけどそういう場所じゃないから大変そうだった。超ひもとかいってもほんとにひもがある訳じゃないし11次元といっても11次元空間が存在する訳じゃない。単にパラメータが11個あってそれらがそれぞれ直交してるだけなんだけど、最先端物理って言葉だけは聞こえてくるんでわかるようなわからんような。あ、前回のときも似たような事書いてる。

帰りにまた立ちゴケする。やっぱり人の多いところではSPD使わない方がいいな。

*1:ちなみに広島型などの原爆が15キロトン級でこのときウラン1kg程度が反応しただけで、ざっと計算すると反応量の1200分の一くらいの質量が欠損してるので0.8gくらいの反応量。反物質の場合は質量の100%がエネルギー転換を起こすのであれが仮に鉄くらい密度だとすると500gくらいあるんじゃないかな。とすればTNT換算で大雑把に言って10メガトンはある事になってまあ軽く半径10kmくらいは無くなるんじゃないかな、という感じ。どうでもいいことですが。