カイジ

昨日の疲労が結構来てるようで、体が言う事聞かん。家でこそこそしたり寝てたりした。昼眠くなるのに、朝は目が覚める。体力落ちて来たかな。
という訳で忘れる前に感想。
原作と大幅に流れを替えて、エスポワール編(利根川戦含む)と地下帝国編、沼パチンコ編までをまとめてやったストーリー。まあ展開そのものを書くのは無粋なんでそれ以外の演出なんかについて書く。ネタばれはすくなめ。いや無理。
全体的には最近の原作を借りてきて、TV屋どものやすいプライドでイヂクリまわされた誰にも得の無い、特に原作に敬意のかけらも無い作品などと違って、手に汗握るじりじりとした緊張感のある勝負の連続で展開のわかっているものにも関わらず見入ってしまいました。しかも上映時に他の客が居ない自分一人の専用状態だったしで集中してみれました。特にラストの勝負の盛り上がり方それまでのすべての伏線をすべて拾って決着する形で、一分の隙もない積み上げを感じた。あそこで毅然とした態度の去り方も含めて原作に忠実といった雰囲気は十分だった。焼き土下座は?という訳で原作ファンにはオススメ。未読者は原作読みたくなるのかなあ。あと、やたらと秋葉フィーチャーなのはなぜだ。
以降、こまごまと。
開始直後に思ったのが、カイジがイケメンな件について。まあ福本漫画の中では二枚目なほうかもしれないけど、正直言ってそういうのじゃない印象があったのでちょっと違和感。もう最初っからキャラに似せてくるなんてものは求めてないので印象だけあわせてほしいくらいの感覚だったが、そういう意味だとちょっとずれる。とはいえ、カイジは急激に目覚めてスーパーサイヤ人化するのでそこらへんでは、もう違和感はなかった。キャスト的に言うならじじいの狂気さのほうが足りないしな。あの手のもう老醜の塊みたいな老人斑やら髪のザンバラ加減とかが足りない。正直言って福本氏というのは絵が下手なんで、そういう強調オンリーのデフォルメが激しくてわかりやすく気持ち悪いキャラが足りなかった。上品すぎる。まあそういうところで言うと、わざとらしく人の生き死に見て喜んでる金持ちの方がしっくり来るものがあった。石田のおっさんはもうなんかすげえ雰囲気出てたけど。ところでエスポワールって「若者限定」つってなかったか?
あとやたらと全員がハイテンションな演出で声を張り上げるわ、騒ぐわ、でなんか「ざわ・・・ざわ・・・」というのがあわない気がしたよ。もっと淡々とした雰囲気で思考の中だけど盛り上がる感じがほしかった。利根川の「ぶちころすぞ」はもっと重くしみ込むように言ってほしかった。あと「悪魔的・・・」も。私はビールの美味しさがわからないんであの場面は刺さらなかった。
作中で行われるゲームも多少ルールが変わってて、限定じゃんけんは時間の都合かシランがかなり簡略化されてた。原作だと4時間くらいだったのがたったの30分だしな。あれじゃあろくに戦略たてられないだろ。ろくにたってなかったけどな。無駄に犠牲になってた人多数。あとカメオがモブがしらんけど妙に見た顔が多かったな。よくわからんけど。
あと地獄チンチロとかやんねーのかなー。あそこが個人的には一番好きなんだけど。というかあそこが一番カイジのなかでカイジの周到さが現れている気がする。なによりカイジの勧善懲悪物語のなかで唯一の完全勝利だし。他ははっきりいってこの映画もふくめてだけど詰めが甘すぎて、すっきりしないし。アカギとか天だと、相手側に骨も残さぬくらいたたきつぶすからその後なんて無いのに対してカイジは敵に余力が残ってるし、なにより一人の力で勝ってないから常に不安というかイライラが残って勝ちの味が薄くなってあんまり好きじゃない。地獄チンチロだけはきちっと勝って勧善懲悪がすぱっと終わってるからな。あと敵方に余力ないし。そう言う意味だと映画での班長はなにも変わってませんが、こいつこのまんまっすか?





超ネタばれ。基本的に遠藤さんの一人勝ち。石田のおっさん無駄死に。カイジの耳も指も無事。利根川地下帝国永住。鉄骨は全員死亡。