プラン・アクトゥール「八月のシャハラザード」

昨日に続いて同じ会場で行われた公演を観てきました。こんどは場所も分かっているので余裕、と思ったんですけどバイクで行ってて普段と違う道を通ったもんで遠回りした挙げ句なんとか到着。
開場前に着いたんでしばらく入り口で待機してから入場。今度は自由に席を選ぶ余裕があったので前側の席に陣取って開演待ち。昨日よりも若干客数が少ない感はあるけどほぼ満席で開演。こっからはネタばれだらけ。
今回の内容は死に際というか死んだ魂がなんとか現世の恋人に言葉を伝えようとするロマンスもので、感動ものになりそうなんですけど、率直に言って主役の性格が軽薄でダメ人間なもんで、どうにも真剣さが伝わってこないのがな。まあ逆に考えればそういう人間ですら恋人にだけは真摯だった、という解釈が出来なくもないけど、なにも犠牲にすること無く全部手に入れようとする甘さがあって、どうにも切迫感がない。まあそこまで深く考える必要も無くラブコメとして楽しめた。別れのシーンが勿体つけすぎてちょっと白けたところ以外は、テンポもよくって楽しめました。でもなんというか川本が裏切られて金を取られて殺された、というのにちっとも報われて無さげでちょっとかわいそうとか思ったり。悪人なのに。まあ多分そういう同情を考えて前科のなかに殺人は入れてなかったんだとおもう。ちょっと感心した。
しかし冷静に考えると、現金輸送車を襲って強奪した現金を遺産だ、とか言って残されても困るだろ。あんだけ不正に対して憤ってたのに、あの一言で金を受け取るなんてどうにも納得できねえ。てっきりそこのやり取りでもう少し盛り上がると思ったのに文字通り現金な奴らだ。まあ、この作品では女性優位で女性がストーリーを引っ張って行ってるから、それでいいのかもしれない。ラストのシーンはまあ、もうすこし含みがあっても良かったと思う。夕凪自身が保父さんの彼女というのを感じたんだけど、嘘の一言で済ませるか。あそこは嘘、だけど嘘じゃないって言う風に作ってほしかった気がする。完全に的外れな予想かもしれんけどね。
役者の演技としては声の通りや動きで文句は無いし、特に座長と川本が抜けてたとおもう。アクションはまあそれなり。