300

カラオケまで時間があったので、前々から興味があった「300」を観る。
チケットに300って書かれてもタイトルに見えんな。それはさておき、紀元前の史実テルモピュライの戦いを元にした幻想漫画の映画化。けっして史実の映画化でないのがミソ。
いやー、それにしてもよく日本でこれを放映で来たもんだ、というくらいに首とか手が飛びます。しかも切り口を画面に見せながらくるくる回るもんで、むしろ現実感のなさが救いかもしれません。画面が全体的にセピア調な色合い調整されてたり、随所に停め絵やスローを多用している所からもコミックをイメージした作りという気がする。そうでもなきゃあんなん気持ち悪くて観れないというのもあるだろうけど、あんまり現実離れしてるんで思わず笑いがこみ上げてきました。チャウ・シンチー監督作品かよ。
映画の内容は先にも言ったようにかつての史実テルモピュライの戦いをベースにしてスパルタ人のというかスパルタ王の生き様を描いた作品で、イメージの通りマッチョな戦士が裸同然の格好で力押しするのがテーマ。三国志の話なら策略でどうにかするようなもんですが、こっちは300対100万という絶望的な戦力差でありながらほぼ真正面から闘ってます。まあ戦略上の目的も違うし、それなりに戦術的に地形を利用してはいますけど、基本的に槍と刀で直接攻撃。むしろ相手の方が策略とか使ってるし文字通り自殺行為を全力でやってます。まあ全滅する事に意味がある戦いと言えなくもないので選択としては正しい。
実際のところ、そんなストーリーは結構どうでもいい。それよりも長回しのシーンで派手な切り合いを見せつけるのが実にかっこいい。あれだけの殺陣を連続的にやるのは難しかろう。実際のカット割りは分からんけど、CGや技術を駆使しての見せ方が非常に面白かった。一番印象的なシーンは集団で突っ込んだシーンで後ろの方の戦士がいきなり相手方にドロップキックかましてた所というのがダメな視聴者代表。
簡単に言うと、もはや定番な勘違いしたアジア像とか淡々と残党狩りしているシーンとか笑いどころも満載で漫画的になにも考えずに観るのが一番正しい気がするアクション大作。冷静に考えるとペルシャ軍の被害は精々1万も行かんだろうという戦術的に大した意味は無いし、その後のスパルタを攻め滅ぼすことに支障無かろうという現実はあるし、戦略的には遅滞戦闘という面が大きいことをちっとも映画の中で説明しないあたり、歴史ものとしてみるのは間違いです。