東京桜組

「その鉄塔に男たちはいるという」
「燕のいる駅」
通しで二本観て来ました。
この劇団は初めて観る訳でもないけど、なんか今回は二本とも合わなかった。両者ともに戦争極初期の日本を時代背景に持ち、戦争の狂気に毒されて行く変化が描かれているものでした。それぞれ多少異なるけど。
しかし、なんというかストーリー以前に演出がまるで合わなかったせいでストーリー以前に演劇自体に嫌悪感があった。とにかく無駄が多い舞台で、もっと芯となる部分を残してそれ以外の要素を削って一本にした方が良かったと思う。劇中のエピソードといい、音声といい、キャラ付けといい無駄が多くてストレスが溜まった。そういえば前回のもそう言ったキャラ付けの過剰さが鼻につくとかの感想書いたような気がする。
個別の感想は以下に。

  • 「その鉄塔に男たちはいるという」

無駄に声がでかい。なんか声が通る人の声は大きかろうと小さかろうと耳に心地いいんだけどそう言った声の人が居ない上に声がでかい。全員が気違いじみたヒステリーと序盤でかなり萎える。150人くらいのハコなのに声の出し方が大きすぎるから抑揚が分かりにくい。しかも最初っからほぼ最後まで過剰なまでの感情の発露でうんざり。非常時の精神的な余裕のなさを表してるんだろうけど、正直言って私には間違っていると思えた。全員が異常なキャラだから何をやっても嘘くさい。漫画でもなんでも1人ツッコミ役みたいな普通の人を置いておかないとすべてが嘘くさくなって興味が失せるものだけど、そういった状況に陥ってた。
最後はまあ感動ものに持って行ってるみたいだけど、ほぼ予想通りの展開だったので前述の感想が先行してしまい全く感情移入出来なかった。それもかなり投げっぱなしだし。

  • 「燕のいる駅」

会社員と女子大生の存在価値がわからん。正確に言うと分からん訳じゃないけど、必要性よりも不要度の方が高いと思った。何より不快で仕方なかったから、もっと芯となる部分に絞って話をした方がいい。その芯となる部分もかなり投げっぱなし。どうとでも解釈出来るように、かも知れんけど正直表現しきれてなかっただけにしか見えなかった。そのくせに無駄な表現と無駄な音は多かった。抑えた演技をしている人の方が結局は印象に残ってるし、騒いでるだけのキャラなんて機微にまで気が回せない。結局なにが言いたかったか分かりにくい、というよりもこんなんで無理矢理感動させようとしても演出意図が先走ってて退いてしまった。もっと静かに進める事も出来たはずなのになんでこんな異常なキャラを揃えたのかわからん。