読書の秋

最近に限らず、最近読んだ本の感想書いとくか。なんか書いとかんとうっかりまた買ったりするからな。

  • 塗仏の宴 宴の支度

短編集のような作りでそれぞれが独立してるようで、全部繋がってる作りのため、短編集なのに通して読まんと訳が分かりません。大体短編1本で普通の小説1本分の文量があるんだからうかつに再読できん。とはいえ、今回の関口さんの扱いのひどさと言ったらないな。なんか最初のちょっとだけまともに文筆業っぽいかとおもったら後はひたすら罵られたり蔑まれたり殴られたり貶められたりほっとくと死にそうというか死ぬ気力がないからなんとか生きてるだけというレベル。ほんとにこの人はひどい目に遭うためだけに生きてるな。早く助けろ京極堂or榎木津。もしくは木場。

映画のために読んでる、訳じゃないけど勢いで買って勢いで読んでみた。まあ序盤の半分くらいは設定読んだだけで予想できたけど、ラストの辺りの計算もなにを意図してるのかすぐ分かったけど、まあ楽しく読めましたよ。最後の200Pくらいは一気読みするくらいには面白かった。
後書きにもあったけど、ちょっとミステリ好きもしくはどっぷり浸かってる人とかにはそういう読み方するように意図的に書いてるらしいから、これはこれで正しい読み方なんだろう。
まあ、人が殺す動機、というのを人間関係から切り離している時点で推理の楽しみが増えるのか減るのか分からんけど、物事が単純化するのは確実。なんといってもだれが殺しても当然、という状況は一見だれが犯人か分からない、という風に見えて、その実、あんまり複雑化しない。だって動機が金か命かのどっちかくらいしか残ってないから。逆に言えばそのどっちかが分かれば終わってる。となると推理、というよりも記述があるかどうかだけだったり。意外な犯人というのがあり得なくってなあ。
さて映画観に行くか。あれ?二人ほど足りないんだけど。

  • 吸血鬼ハンター22 D─悪夢村

結構の割合で惰性で読んでる気がする。だいたいDというキャラの設定自体が一巻の時点で終わってるんだから、いくらエピソードを増やしても新たな面が見られる訳が無いはずなんで、むしろキャラが崩れて行く感じがするとファンとして辛い。
まあ、はっきりと書かれていないが、人間と吸血鬼の融合として唯一の成功例であり、もはや何年生きてるのか分からんほどの長命で人格的にも能力的にも成長しないんだから、良くも悪くも完成してる、はずなんだよなあ。強いのは強いんだけどその強さというか弱さがばらばら。思い出したように陽光症だし。
でもまあ、Dの人間くささは嫌いじゃない。

  • 神様のパズル

前に行った「大人の社会科見学」リニアコライダー編で言ってた作品。いまさら読んでる。科学好きなひとには受けるかもしれないがほんとに物理やってる人にはちょっと微妙な感じのSF作品。SFと言っていいのかな、これ。むしろトンデモ科学本な訳ですが。物理科出身としてはちょっといくらなんでも、という表現があるのが気になるけど、そういう見方でなく話としては世間とずれた天才女子と普通の男子による初めてのオツカイみたいな感覚で読めた。でもはっきり言って小説でも漫画でもいいけど「天才」を出す作品って正直言って「天才」の描写がつまらん事が多い。というか「天才」を言葉として多用してるだけで本当に「天才」だという認識を受けるキャラがいない。真賀田四季でもいいけど、だいたいが一部に特化して人格欠損してるからな。で、だいたい普通と違う言動をする。正直言ってつまらん。それはただの偏ってるだけだろ。ま、それを言い始めたら森博嗣作品なんて全員が全員、人格破綻してるしな。
まあ、結論が発表しないという点ではある意味説明の放棄ともとれなくはないけど、究極の力をもっている存在があるっていうのもSFの醍醐味だし、悪くないと思う。けど、なんかこれって続編があるっぽいんだよなあ。ちょっと興ざめ。