安楽死館 梅津裕一

DMMの半額キャンペーンで読んでるんですが、あっさりと読み終わりました。中編くらいだけど、普通に読んだら600円以上するんだよな。高くないっすか。
それにしても主人公の青臭い論理とヘタレな判断が鼻につく。もう早く死んじまえよ、と思うくらいにうざいんですが、文字通り主人公なので優遇されまくり。まあそれすら取り込んだラストなので構成は練られている印象なんですが、どうにも私の好きな人物像から一番離れてるキャラだった。世界をねじ曲げる実力と青臭い論理とかの組み合わせは好きなんですが、善意と信じて現実を悪化させるような自覚の無い悪が大嫌いです。それでも途中では緊張感もあれば嫌悪感に悲壮感もあるのでドキドキしながら読めました。ただ、なんというか悪意のオンパレードな世界で結局なにも救われないあたりがちょっと不満、いや不快。投げっ放しなラストと言えなくもないし、なんかキューブのラストみたいな感じだったよ。
乾燥の羅列でまとまりが無い文章だなあ。うーん、一言で言うとよく作られた不快な悪意の物語。キューブをもっと説明臭くした感じ。