ワンピース劇場版 

突然思い立って観に行く事にした。正直言ってワンピースという作品にはもやもやしたものがあって今ひとつはまりきれていないんだけど、ネットの評判もいいみたいだし、なにより原作の中でも熱いエピソードなので期待して行ってみる
内容としては、原作でのアラバスタ編、TVでは10話以上かけた話を90分に凝縮しているので、バロックワークスの説明はまるまるカット。クロコダイルとニコロビン以外はまともに名前の説明もないという割り切りっぷり。というかルフィVSクロコダイル戦にスポットを当てていて上映時間の半分くらいそれに費やしていた気がする。まあそれでも全体の構図や反乱軍リーダーと王女の人間関係くらいはしっかり描いているから、話が分からないという事はなく、逆にラスボスがしっかりしているので分かりやすい。原作に詳しくない人でも何をしたい話は伝わるとおもう。こないだのジョジョとはいろいろな面で子供達に配慮した作品だった。
しかし、前述の通りワンピースの漠然と抱いていた不満が、今回の映画ではっきりした。ジャンプ漫画らしいバトル漫画であるが故にバトルの迫力とそれに連なる感情の動きが見せ場なのだけど、そのバトルに理由が見えないということが不満の感じる所だったらしい。キャラの強い理由も弱い理由もはっきりと見えない。だから勝つ理由も納得がいかないので見え見えの予定調和にしか感じないという所が私にはあわない。
迫力のある絵や熱いセリフはむしろ大好きな部類なのだけど肝心の戦闘がご都合主義っぽくて耐えれない。RPGでの戦闘で裏技使って無理矢理ラスボスを倒した事にしているような感覚に近い。ウソップの打たれ強さが最たるものだし、ルフィーがクロコダイルにさされた毒になんとなく抵抗できるところが興ざめでいまいち盛り上がる所で盛り上がれなかった。
後ろの席で泣く声が聞こえたのだけど、良い作品とは思ったけどなかなか泣くところまではいかんかった。面白い作品だと思う。