戦う司書と恋する爆弾

読み始めた理由は割愛。分かる人には分かるから。
新人賞を取ったというだけあって、文章は安定しているし構成も上手いとおもう。一つのメインとなる時間軸に対して、本というアイテムを介して時代を超えて進行する時間軸。一度読んだ後にもう一度読み直すとどういう風に人物の思いが繋がって行くか、考えながら読めるから、そのときのキャラの感情が新たな発見となって二度美味しい作品。
しかし、猫の話はかなり偶然性が高い展開だけど、それすらもこの作品世界の大きな伏線なのかもしれない。深読みするとこの世界そのものがハミュッツを生かそうとしていると思える訳で、作者自身がこのハミュッツを如何に負かすかを考えているというのも納得できる。
しかし出てくるキャラがあまり普通のキャラでないため誰に感情移入するべきか悩むけど、結局ハミュッツ以外は世界の部品でしかないんだろうか。だれかに操作されるだけで自分の意志が感じ難い。まあそれを予定調和というかで全然見方が変わるんだよな。死んじゃうし。
さて、二巻読むか。

戦う司書と恋する爆弾 (スーパーダッシュ文庫)

戦う司書と恋する爆弾 (スーパーダッシュ文庫)