貧乏姉妹物語

先に書いておかんといかんと思うのだが、優しくていい作品だと思う。そこだけは間違いない。
ただ、こういう清貧ものって感動話をつくりやすいんだろうし、数が少ないからそれなりに質の良いものであれば、カルトな人気が出るのは分かるけど、いい加減こんなんで感動を強要するようなものに抵抗を感じるようになった。
こういう現実ものをやるんなら周囲の設定はきっちりしといてもらわないと、作った話という感じがして作り手の作意を感じて鬱陶しくなる。フィクションならフィクションで楽しめるんだけど、ノンフィクションぽい作りをすると途端にそういう甘さが目につくようになる。まあびんちょうタンとかなら100%嘘だからどんなに貧乏で一人暮らしもあり得るだろうけど、この話だとまずあり得ない。あり得ないんだからこそそういう部分はきちんと固めとかんとご都合主義にしか見えなくなる。
すくなくともきちんと学校に行けるような戸籍のはっきりした人間で、両親が居なくて、適当な財産もない未成年二人が一世帯として存在するという状態がどれほど現実で異常かわからんのだろうか。逆に言えばそれだけ異常な状況を説明も無しに持ち出す事がどれほど作為的な感動の強要か感じないのだろうか。そこまで考える方が異常なんだろうけどな。
正直今回の話は貧乏である必然性が低い気がする。まあゆかたを余裕で買えるような状況では成り立たないけど、こんな「賢者の贈り物」ぽい話は、貧乏である必然性がない。というか「賢者の贈り物」の方が話としてはよく練られていると思う。
とまあここまで悪し様に書いてる割にほんとうにいい話だなとは感じている。最後まで見通すかどうかは分からんし、これから先その話の説明があるのかもしれんけど、まあ一話ではこんなもんでいいんじゃないかとも思う。
ただ、新聞配達くらいで家計が賄えるわけないんだけど、ほかになにやっているんだろうなあ。精々中学生がやれる新聞配達なんぞ月で4万もいかんだろう。家賃がいくらか知らんけど、学費はまあ免除としても食費とか光熱費を考えるとどう考えても新聞配達だけじゃ無理。もっと増やすとか言ってたし、あすが生まれてすぐに母親が亡くなったと言っていた訳で、これまではなんらかの蓄えなり保険金なりあったんだろうか。考えれば考えるほど歪な設定だな。つか保護してもらえ。
あと、この姉妹って仲がいいと言うよりも相互依存に近い。理屈抜きの家族感情というよりもかなりの度合いで義務と依存と孤独で出来上がってる危うさがあるような気がする。気持ち悪いし、見てて痛々しい事この上無し。
OPはなんか独特な響きのある声だな。微妙に音程が外れているような感じで聞いてて妙な違和感が消えない。トリップしそうだ。EDはまあ下手だな。AVEX modeか。本編の背景は力入ってるけど、OP,EDはどっちも「あの」作品くらいには売れそうにない。つか売れなそう。

追記

あ、とある有名サイトでほとんどおんなじ事書いてあった。やっぱりそう考えている人いるんだな。