産経ニュース

漫画の作り手側が作る事を放棄してひたすら読者に迎合しているだけの問題点は、前々から感じていた。なにより四月からはじまったまんとらという番組を見て、特に考えていたことですが、集団で作り上げた作品がほんとうにヒットを飛ばした事などあっただろうか。
漫画に限らず創作物のたぐいは個性こそがヒットの要因であって個々の要素をいくら詰め込んだからと言って、ヒットに結びつくとは限らない。そんなことは明白なことだと思っていたのに、あんな完成するまえの作品に多人数の意見を取り入れて改良と言う名の平坦化を行うとは、狂気の沙汰としか思えない。こんなんでヒット作が出る事があるはずがない。まともにやる気あるのか。
個性が十分条件ではないが必要条件だと思う。多人数の意見に迎合する事は残り少数を捨てる事と同義であり、最大公約数は所詮素数を切り捨ててるようなもんだ。そんなもんはこれまでいくらでもある漫画の真似でしかない訳でいまさら読む必要も無ければ新たなファンも古いファンも呼べない事くらいわかりそうなものなんだが。
まあ、記事の真意はインパクト重視の行き当たりばったりな展開が逆にぶつ切り感を呼んで雑誌を読まなくなっているという点にあるんだけど、本来漫画というものは求められているものが求められているだけ供給されるべき娯楽なんだから、逆に言えば、雑誌という媒体がすでに求められていないということになるのだが、そうするとコミックにするべき漫画の選定が難しくなるというジレンマだし、漫画家の淘汰圧があがるのは作品の質向上と育成のバランスが崩れるといったことでもあるのでなかなか解決しにくい問題である。