4コマ漫画 その3

3は漫画と小説の違いみたいなもので、絵という情報伝達手段を最大限利用するということです。
4コマという限られたスペースにどれだけ情報を過不足なく盛り込むかが作者のセンスの見せ所だと思います。別にセリフを少なくしろとか、言う意味の「絵」ではなく、全体として読者に伝わることが重要ということです。一般的にどちらかというと4コマ漫画はギャグや息抜きとしてしか存在価値を認められない傾向があり、その意味ではセリフの多いものはあまり好まれない傾向にあることは事実です。しかし、セリフが少ない作品というものは一つの表現技法でしかなく、そういう読者層にはそういう技法が有効であるというだけで、必ずしもそうでなければならない理由にはならないと考えます。つまり4コマの十分条件たりえないのです。
最近の傾向としてキャラクターやストーリーに重点を置いた4コマが増えていて、そういう作品の場合往々にしてセリフの量が多くなる傾向にありますが、それもまた作品として必要な情報を伝達するべく必要な技法の結果であり、それをもって4コマ漫画であることを否定することはできないでしょう。むしろそれが読者の求める所であればなにも遠慮する必要はありません。必要なのは全体として伝わるかどうかです。一番ダメなのは一部の常連や仲間内に受ける共通意識を前提とした作品、もっと言えば作者のコアなファン以外にはさっぱり分からない作品と考えます。まあ、それも同人や個人誌の場合はもちろん有効ですが、一般雑誌上に載るには相応しくないでしょう。
1と相反する要素が無くも無いですが、単品として読める上に連載読者にはもっと他の楽しみがあることが理想ではないか、とおもいます。